「こぶとりじいさん」日本の民話
むかしむかし、あるところにほっぺたに大きなこぶのあるおじいさんが二人いました。
右のほほにこぶのあるおじいさんはいつもニコニコ笑っていましたが、左のほほにこぶのあるおじいさんはいつもイライラ怒っていました。
ある日、明るいおじいさんが山へたきぎを取りに行くと、突然雨が降りだしたので、ほらあなで雨宿りをすることにしました。
そして、おじいさんはいつのまにか眠ってしまいます。
しばらくして、ふと目を覚ますとあたりはすっかり暗くなっていました。ほらあなの外では、鬼たちがお酒を飲みながら楽しそうに歌ったり踊っています。
その楽しげな様子に、おじいさんもついつい鬼たちの輪の中に入って踊りだしました。
おじいさんの踊りが気に入った鬼たちは、「明日もまた来るように。それまでこれを預かっておく」と言い、おじいさんの顔のこぶを取ってくれました。